僕は現在、都内で会社員をやっているため、毎日のように日報を書いています。
と言っても非常に簡単なもので、午前と午後でどんな業務を行ったのかを箇条書きで書いて、Skypeのメッセージで専用のグループに投げるだけ。
宛先である上長が見ていないこともしばしばあり(Skypeは既読がわかる)、正直なところちょっぴり形骸化しています。僕自身も特に時間をかけるべきところとは思っておらず、それで良いと思っていました。
ところが、世の中には日報という名の下ですごくレベルの高いアウトプットをしている会社もあるようです。それが株式会社ベイジさん。
公式サイト ベイジの日報
僕自身はベイジさんとは何の関わりもありませんが、あまりに良い文化だったので思ったことを残しておきます。
目次
ベイジ社の日報のすごいところ
さっそく本題です。ベイジさんの日報のすごいと思ったところです。
日報というか記事のクオリティ
まず、ベイジさんの日報を読むと、これ日報というか記事ですよね? と誰もが感じると思います。
なんか普通にテクニカルな話をしていますし、学びを経験知としてきれいにまとめています。正直Qiitaで記事を読んだときと同じ感覚がありました。
「え……これを毎日書いてるの……?」というのが最初に感じた大きな衝撃です。業務時間に書いているのだとは思いますが、どのくらいの時間をかけているのでしょう……(興味津々)。
こういうアウトプットを日々できる土壌が形成されている会社はなかなかないと思います。毎日ブログにアウトプットをしている人がよく伸びるように、この土壌がある会社の社員さんは成長速度がめちゃめちゃ速そうですね。
これって記事の内容を社内では検索できたりするんでしょうか。後から検索ができれば立派な社内ナレッジになりそうです。
「感じたことを書く」という自由さ
この日報、書く内容について指示は出ていないようです。
日報では進捗報告などは行わず、その日感じたことを、各々が自由に書いています。
引用元:日報について | ベイジの日報
だからなのか、日報の内容はかなり幅広くなっています。前述のようなテクニカルな内容が書かれていることもあれば、どちらかと言うとビジネス系の話をしていたり、勤続の節目での振り返りをしていたり。
中にはちょっと日報とは思えないようなキャッチーなタイトルのものもあり、これを公開する会社ってすごいな……と思わずにはいられません。
このように制限なくアウトプットできる環境にいると、思わぬ才能が開花することもありそうですよね。
「シェアできる日報」という新しさ
そもそも僕がこの日報を知ったのは、Twitterでシェアされていたからです。
以下のように、ベイジ代表の方がシェアしてくださっていますね。
うちの会社は対外的にはマーケティングに強いweb制作会社って印象だと思いますが、マーケティング会社ではなくあくまでweb制作会社なので、「コンバージョンに関係あらへんやん」と切り捨てず、細かい部分の違和感解消にこだわって作る文化もとても大事にしています。https://t.co/3BvVRypGbW
— sogitani / baigie inc. (@sogitani_baigie) September 10, 2019
Web媒体に掲載することで、SNSでのシェアを行うことができるというのはすごいですよね。個別の日報ページにはしっかりシェアボタンも配置されているので、このあたりは狙ってそうですが。
ややもすると社内で形骸化してしまう日報を、上手にブランディングやマーケティングに生かしているのはとても頭の良いやり方だなと思いました。
この日報文化を取り入れられる会社は限られる
では、このすごい日報を自社でも取り入れられるかと言うと、それは難しいように感じます。
Webに明るい経営者が興味を持って、トップダウンで行わない限りは厳しいのではないでしょうか。現実的に、ボトムアップでトップに提言するだけのインセンティブを持つ部下はほぼいないと思うので(トップとの距離にもよりますが)。
また、よしんばトップがOKを出しても、同僚が自分と同じだけのモチベーションを持てるかどうかは難しいところでしょう。
そういう点も含めて、日報というプロジェクトを回しているベイジさんはすごいなと思うわけです。
ただ、他の会社にも波及しているようなので、広まっていけば弊社にもこの文化が来てくれるかもしれないですが……。
先日、ベイジの日報文化を知ったお客様が、社内で日報を書く取り組みを始めたというお話を聞いたけど、「こんなこと考えてたんだ」「ここまでやってくれてたんだ」みたいな驚きが多いと言っていた。
みんなが考えていることに日々触れることは、社内コミュニケーションに一役買っていると感じる。
— imanishi / baigie inc. (@imnstkhs) September 9, 2019
個人単位で真似すると良さそう
要するにベイジさんの日報文化というのは、各社員の皆さんが日々ブログ記事を書いているようなものだと思います。気付いたことをアウトプットして自分や他の人の力にしつつ、書く能力も伸ばすという一挙両得の手段なのだと。
これは前述の通り会社単位で参考にして真似するのは難しいと僕は思いましたが、ブログを持っている人なら実はすぐにでも参考にできるのではないかとも感じました。
毎日気付いたことをブログ記事にしてアップしていけば、疑似的にこの文化の一員になれると思うのです。
つまり何が言いたいかって、ベイジ社の皆さんが日々日報としてあれだけのアウトプットをしているのだから、ぜひとも参考にして自分自身も日々ブログ記事を書いていけたら良いよね、という話です。
ちなみにいくつかのベイジさんの日報の文字数を数えてみたら、だいたい700~2,000文字の間くらいでした。1日700文字くらいだったら確かに書けそうな気がします。4日間毎日書けば3,000字弱になり、だいたい1記事分くらいのボリュームになりますしね。
僕の会社にこの文化が入る可能性は現状あまりないですが、個人単位では参考にさせていただき、日々ブログやサイトの記事を書いていきたいと思います。
まとめ
自分の考えをまとめる能力や文字を書く能力ってすごく大切ですよね。応用が効きますし、ポータブル能力の筆頭でもあると思います。
社員全体でこの能力を伸ばしているベイジさんは、いつか大きなメディアを立ち上げるのではないかとちょっと予想している今日この頃です。僕もちょっと更新頻度上げていきたいな、と思いました。
なお、この記事を書き上げるのには1時間30分くらいかかりました。日報だとしたら時間かけすぎかもしれませんね。笑
【追記】
株式会社ベイジの方からコメントをいただきました。サイトに上げる際は加筆修正が入るものの、多くの人が15分~30分で書き上げるそうです。
こちらの記事で書いていただいた質問にお答えすると、
日報は帰る前に書いているのですが、かけている時間は15分~30分くらいの人が多いかなと思います。
書いたものはメーリングリストで送っているので、メールで後から検索することはできます! https://t.co/f399oIcdAj— imanishi / baigie inc. (@imnstkhs) September 13, 2019