Googleタグマネージャ(GTM)を使い始めたとき、調べてもなかなか理解できなかった概念が「非インタラクションヒット」でした。
言葉が小難しいこともさることながら、選択肢が「真」あるいは「偽」というのも僕には理解が難しく、「どっちにするのが正解なんだろう?」「本当にこっちで良いのかな……」と毎回のように悩んでいました。
きっと同じように悩んでいる人もいると思うので、非インタラクションヒットに関する説明をここで書いておきます。参考になれば幸いです。
目次
非インタラクションヒットを理解するための前提知識
まず、非インタラクションヒットを学ぶうえでの前提知識として、イベントトラッキングおよび直帰カウントについての話をしておきます。個人的には、ここを飛ばして非インタラクションヒットを理解することは難しいと思っています。
イベントトラッキングについて
Googleアナリティクスでは通常のアクセス解析に加え、「リンクがクリックされた」「動画が再生された」などの行動も記録することができます。
これらの行動は「イベント」と呼ばれ、そのトラッキングを行うことを「イベントトラッキング」と呼びます。Googleアナリティクスだけでも実装可能ですが、Googleタグマネージャを使うと直感的に設定していくことも可能です。
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直帰とそのカウントについて
Googleアナリティクスにおける「直帰」は、基本的には「1ページだけを見てサイトから離脱すること」を指します。
一人の人がサイトに訪れた際に、最初のページだけ見て、他のページは見ずにサイト自体から離脱してしまった場合にカウントされます。
ページビュー単位で数える「離脱」とは違い、直帰はセッション単位で数えることが特徴です。
イベントトラッキングと直帰の関係
ここが大事なのですが、イベントトラッキングが発生した場合、Googleアナリティクスではそのセッションが直帰としてカウントされません。
例えばスクロール率などのページの遷移をしないイベントであっても、発生したら直帰ではないセッションとして扱われるのです。
そうすると、実態として直帰をしていても、Googleアナリティクス上で直帰として確認することができなくなってしまいます。
非インタラクションヒットとは
前項の内容を踏まえると、想像がついてきた人もいるのではないでしょうか。
インタラクションヒットとは要するにイベントを計測するためのヒットのことです。これが発生すると、直帰が直帰としてカウントされなくなります。
そこで、「非インタラクションヒット」を「真(True)」にすることで、「インタラクションヒットではない」という扱いにして、直帰カウントに影響を及ぼさないようにすることができるのです。
非インタラクションヒットの解説では、「直帰にするかしないかを決める」という説明をしているところも見受けられます。しかし厳密には「直帰カウントに影響を及ぼすインタラクションヒットの有効 or 無効を決めている」という方が正しいでしょう。
これが分かると、デフォルトで「偽(False)」が設定されていることも納得がいきますね。
非インタラクションヒットの使い分け
ここまで理解できると、「このイベントは非インタラクションヒットを真と偽のどちらにするべきか」というのも判断できるようになります。
例えばページのスクロール量を測定するようなイベントの場合、非インタラクションヒットを真にしておかないと多くの直帰が直帰でない扱いになってしまいます。
逆に、狙った外部リンクへのクリックなど、ページ遷移と同じような価値のある行動を測定するイベントでは、非インタラクションヒットを偽にすることで、セッションを価値のない直帰と分けて計測することができます。
いわゆる「ちょっと見てサッと離れる」ような直帰と分けたいかどうかによって、非インタラクションヒットを使い分けると良いですね。
まとめ
「非インタラクションヒットを偽にする」などと言われると、「やらないをやらない」みたいな二重否定っぽさが出て理解が難しいと思います。
その「非インタラクションヒット」に何の意味があって、どういう影響を持っているのかを知ると、この設定についても深く理解できます。
GTMもGoogleアナリティクスも機能的なツールだからこそ、一つ一つ着実に学んでいきたいですね。