アフィリエイター界隈でFlorida 2アップデートが話題になっている最中、新しい爆弾が投下されました。
それがタイトルにもあるITP2.1です。
「うそだろ……ちょっと前にITP2.0をリリースしたばかりじゃん……。」と思ってしまいますよね。ITP2.0がスタートした時には、以下のような記事も書きました。
[kanren id=”152″ target=”_blank”]
これだからGAFAは……と言いたくなるところですが、自分の大切なトラッキングを守るため、ITP2.1の内容とその対応策をしっかり確認しておきましょう。
ITP2.1がこれまでと違うところ
ITP2.0もアフィリエイターにはかなりの打撃で、各ASPが対処に追われていたことが記憶に新しいですが、ITP2.1では何が変わったのでしょうか。
我々はエンジニアではないので、詳しいメカニズムには興味はないでしょう。
アフィリエイターの関心事である「成果のトラッキング」に与える影響については、本日A8.netが出したブログ記事にある情報がすべてではないでしょうか。
[sanko href=”https://a8pr.jp/2019/03/26/itp2-1%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8Ba8-net%E3%81%AE%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0%EF%BC%88%E6%88%90%E6%9E%9C%E8%A8%88%E6%B8%AC%EF%BC%89%E3%81%B8%E3%81%AE%E5%BD%B1/” title=”ITP2.1におけるA8.netのトラッキング(成果計測)への影響に関しまして” site=”A8スタッフブログ” target=”_blank” rel=”nofollow”]
・該当端末からのクリックの場合、ITP対応済み広告においても再訪問期間の上限が7日(168時間)となる場合があります。
引用元:ITP2.1におけるA8.netのトラッキング(成果計測)への影響に関しまして | A8スタッフブログ
これまで各ASPが必死になって取り組んできたITP対応に対して、梯子を外すようなこの仕打ち。Appleはサディストなのではないだろうか。
サードパーティのCookieが即座に削除されるITP2.0を受けて、ファーストパーティのCookieを付与するように対応した広告も、今後は一定期間後にそのCookieが削除されてしまう可能性があります。
専門的なことを言うと、どうやらJavaScriptを使って保存・参照することができるdocument.cookieなるものが、ITP2.1ではファーストパーティのものでも7日間しか保持できないとか。
平たい話、ITP2.0までならトラッキングできていた成果が、ITP2.1になることでトラッキングできなくなる場合があるということです。
アフィリエイターにとって、発生している成果がトラッキングできないというものほど恐ろしいことはありませんね。
ITP2.1に対する各社の反応

もちろん、このまま指をくわえてトラッキングを落っことしていくわけにはいかない企業もあります。そうした企業・サービスの中には、既にITP2.1の対策を進めているところもあるのです。
A8.net
この記事を書いている時点で、ITP2.1について言及しているASPはA8.netくらいではないでしょうか。
A8はITP2.0の時にも積極的に動いている印象がありましたし、「他ASPで発生しなかった広告をA8に張り替えたら発生した」というウワサもあるくらいトラッキングには信頼のあるASPです。
このスピードでアナウンスを出せるのはさすがとしか言いようがありませんね。
A8のスタッフブログで言及されている対応策は以下の通りです。
近日中に各広告においての「クリックから7日以内の成果発生割合のデータ」をご提供させて頂く予定となります。
引用元:ITP2.1におけるA8.netのトラッキング(成果計測)への影響に関しまして | A8スタッフブログ
上記の「クリックから7日以内の成果発生割合のデータ」を確認することができれば、ITP2.1の影響が比較的軽微な案件を見つけることができるでしょう。
トラッキングできないかもしれない案件はアフィリエイターも選ばないので、ゆくゆくは多くの広告主がITP2.1でもトラッキングのできる広告を提供していくのではないかと思います。
アドエビス
マーケティングプラットフォームであるアドエビスは、なんとITP2.1への対処準備を済ませています。確かにこういうサービスにとってITPはクリティカルですが、それにしても対応が早いですよね。
株式会社ロックオン(本社:大阪府大阪市北区 代表取締役:岩田 進)は、マーケティングプラットフォーム「アドエビス」において、Apple社のSafariブラウザに追加された最新版トラッキング防止機能Intelligent Tracking Prevention(以下、ITP)2.1の影響を最小限(※)にSafariブラウザでの計測を継続できるよう対応を行いましたので、お知らせいたします。
引用元:マーケティングプラットフォーム「アドエビス」、最新版Safari搭載のITP2.1に対応。|株式会社ロックオンのプレスリリース
ITP2.1でも計測可能な新しいタグへの移行が完了している、あるいは新しいタグ実装後にアドエビスに契約した場合、ITP2.1の影響が最小限になるようです。
「ITP2.1があってもトラッキングを漏らさないことは技術的に可能」だということは、アフィリエイターとしては勇気づけられるニュースですね。
felmat(3/30追記)
クローズドASPであるfelmatも3/27付でお知らせをメンバーページに出していました。
【お知らせ】
Apple社から発表されておりますITP2.1に関しまして、felmatではファーストパーティCookieに加え、localStorageを併用する事で、影響を最小限に抑える対応を開始しております。
また、プロモーション毎に対応しているITPバージョンの表記【ITP2.1対応】【ITP2.0対応】も開始しましたのでお知らせいたします。
尚、パートナーサイト様側でリンクコードの変更対応は必要ございません。
felmatは今後もこのような外部環境の変化に対応できるように対策を進めて参ります。
引用元:felmatメンバーページ
既に【ITP2.1対応】の表記が各案件に出ていて、アフィリエイター側としては非常に便利です。
正直、これこそがASPに求めている対応なので、他ASPもこうやって【ITP2.1対応】と表記をしてくれれば良いのに……と思いますね。
バリューコマース(3/30追記)
felmat同様、バリューコマースも3/27付で案内を出しました。
Apple社から発表されておりますITP2.1を受け、弊社では様々な検証を進めるとともに
4月中旬より広告主さま向けにITP2.1用の対策をご案内させていただく予定です。
引用元:【重要】Apple社が発表したITP2.1についての取り組みにつきまして | お知らせ | ASPのバリューコマース アフィリエイト
こちらはまだ対応中とのことですが、たとえ検証段階でもお知らせがキチンと行われたのは素晴らしいです。
なお、ITP2.1対応済み広告主さまの確認方法は、iOS12.2の環境での検証結果をもって、
プログラム検索で提供している「ITP対応済」の絞り込み検索結果を更新し、ITP2.1対応
済みの広告主さまを検索結果で絞り込み表示できるようにする予定です。
引用元:【重要】Apple社が発表したITP2.1についての取り組みにつきまして | お知らせ | ASPのバリューコマース アフィリエイト
上記の通り、今後はITP2.1対応済みの広告主を絞り込み検索できるとのことなので、こちらもアフィリエイターにとっては嬉しい対応ですね。
ここで挙げたところ以外にも、ITP2.1への対応を進めるASPやサービスが今後増えてくるでしょう。
おわりに
そもそもITPには複数の対応策があり、ITP2.1でも問題なく計測ができるものもあるようです。
しかし、エンジニアチックなことによほど詳しくない限りは、Cookieやトラッキングの仕組みなんて普通のアフィリエイターには分かりませんので、ASP側から広告を選ぶ際に基準を出してもらえると嬉しいですね。
そして、この期に及んでITP自体にすら未対応の案件は、もう「トラッキングできなければ報酬支払わなくて済むしむしろラッキー☆」と考えていると思っても良いのではと個人的には思います。
ここまでくると、本当にITP未対応の案件は選びたくなくなりますね。
アフィリエイター側でできるITP2.1の対処としては、以下の2つがメインでしょう。
- ASPからの情報を頼りに、ITP2.1でもトラッキングしやすい案件を選ぶ
- Cookie削除前にCVするように意識して誘導を行う
これまで以上に、案件選びの慎重さと「すぐに決断させる誘導」が必要になったと言えるかもしれませんね。